基調講演②「八女市予約型乗合タクシー『ふる里タクシー』」(福岡県八女市地域支援課 松尾一秋 交通対策係長)

 福岡県八女市は、県南部の山間地に位置し、鉄道の駅がなく、人口は約7万人で、高齢化率は約32%です。この人口規模で交通対策係を設置しているのは自分でもすごいと思っていますが、来年度、定住の担当課と統合される予定で、まちづくりと一体化して取り組むことができると思っています。
 

プレゼン資料の表紙

ツートンカラーの「ふる里タクシー」


 平成25年に、地域公共交通優良団体国土交通大臣賞表彰を受賞した「ふる里タクシー」は地域内移動に特化し、地域間の移動は路線バスというすみ分けをしています。主に利用する高齢者にとっては、域内に慣れた病院や商店があるのでその方が良いのです。
 また、導入に際して説明会を開催しましたが、どこの会場でも熱狂的に支持されました。「デマンド党の松尾」で出馬したら当選するのではないかと思ったほどです。(笑)

「ふる里タクシー」の概要

「ふる里タクシー」の概要。運行は平日のみだが、目標人数をクリア。


 土日の運行は、以前運行していた福祉バスの利用実績が低かったため実施していませんが、平日の毎日運行を持続させるためには、無料では無理なので300円にしました。「高い」という声もありましたが、“無理なく運行するため”ということでご理解いただきました。
 また、最終便が午後4時台と早いですが、他のタクシー業務に支障を来さないためには仕方なく、住民のみなさんに我慢してもらっています。しかし、アンケート調査では「外出機会が増加」したという回答が「38%」もあって感無量です。

九州北部豪雨後の報道

九州北部豪雨後も毎日走り続けたそうです。


 九州北部豪雨で大きな被害を受け、大型車が通れる沢伝いに一本しかない道が長期間通行止めになりましたが、乗合タクシーは細い道を縫うように走り、被災後も1日も休まず運行を続け、住民のみなさんに安心と希望も運びました。

プレゼン中の松尾係長

高いテンションで話されていた松尾係長

 役所人生で、住民のみなさんから褒められることは少ないのですが、こんなに喜ばれた仕事は初めて。自治体職員のみなさんは、ぜひ、地域交通の仕事をやっていただきたいと思います。

 [経費等の概要]
●オペレーター:5名(当初6名)
●システムのイニシャルコスト:約4,800万円。(現在だと、おそらく2,000万円以下かも?)
●運行経費:約1億円。(以前運行していた福祉バス等の経費とほぼ同額)
(文責:松本)

基調講演①はコチラ。
第1部:基調講演①「人口減少時代おける地域公共交通の役割」

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