【参加報告】地域公共交通シンポジウムin札幌~まちづくりと交通の明日に向けて~第2部①

「地域公共交通活性化再生法一部改正の活用による地域公共交通網の再構築について」
11/27に行われたシンポジウムの参加報告第3弾です。(第1弾(基調講演①)、第2弾(基調講演②)) 

資料の表紙

地域公共交通活性化再生法の一部改正で、公共交通の面的なネットワークの再構築が期待


 地域公共交通には、移動手段としての役割だけではなく、まちのにぎわい創出や人の交流の活発化などの役割がありますが、取り巻く環境は大変厳しいものがあります。

 ◆過去5年間・・・ 乗合バス-約8,160km廃止、鉄道-約7ヵ所で約105km廃止(配布資料より)

法改正の図式

従前の連携計画は廃止され、形成計画に生まれ変わる


このような中、交通政策基本法(※)が施行されましたが、2014年11月20日には「地域公共交通活性化再生法の一部改正」が行われました。

従来の連携計画との違い

従来の連携計画との違い


 改正のポイントは、①地方公共団体中心②まちづくりと連携③面的なネットワークを再構築 で、地方公共団体が、「地域公共交通網形成計画」(以下、形成計画)(従来の「地域公共交通総合連携計画」は廃止)を立てられることになります。(今までの主体は「市町村」。形成計画では、都道府県も主体になれるため、広域的な計画も期待される)

地域公共交通再編事業

再編事業の定義と活用イメージ

 この形成計画に基づき、地域全体の公共交通のネットワークの総合的再編を目指すために行う「地域公共交通再編事業」は、

 ① 特定旅客運送事業者の営業区域の編成の変更
 ② 他の種類の旅客運送事業への転換(鉄道→バス、バス→タクシー等)
 ③ 自家用有償運送による代替
 ④ ①、②、③と併せて、以下のいずれかの事業(単独では不可)
  ・異なる公共交通事業者間の運行計画の改善
  ・共通乗車船券の発行
  ・乗継割引、ICカードの導入等の措置

 を行う事業と定義されています。

 また、「地域公共交通再編実施計画」等について国土交通大臣の認定を受けると、以下の関係法令の「特例措置」が受けられます。
 ・手続きのワンストップ化 (書類を別々に提出必要なし)
 ・国土交通大臣による勧告・命令 (公共交通事業者が計画未実施の場合)
 ・計画を阻害する行為の防止 (新規参入者によるクリームスキミングの防止等)
 ・少量貨物の輸送 (自家用有償旅客輸送のみ)

 この一部改正により、地域にある限られた資源を有効に活用して面的な交通ネットワークの再構築、コンパクトシティ化、及び、地域の活性化等が見込まれています。

(※)交通政策基本法-2013年12月公布、2014年11月施行。国の交通政策を規定し、基本理念や責務等を明確化。かつて、民主党が移動権の保障として「交通基本法案」を提出したが、廃案になった経緯がある。
(文責:松本)

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