第31回地域バス交通活性化セミナー「路線バス等の維持を目指した多様な分野からの運転者確保について」が開催されました

2025年12月8日(札幌エルプラザ ホール)、「路線バス等の維持を目指した多様な分野からの運転者確保について」と題し、第31回地域バス交通活性化セミナーが開催されました。
基調講演「多様な人材確保と定着の為にすべきこと」(リッツMC(株)代表取締役社長中嶋美恵氏)において、「バス運転手の女性の割合は極端に少ないが、定年が伸びている昨今、子育てに一段落した40代後半の女性を採用すれば、保育施設の整備をしなくても約20年働いてもらえる可能性がある」とした上で、離職につながらないように「トイレなどの環境整備をもっと進めていく必要がある」。また、外国人の採用に関しては、既に外国人運転手を採用している会社に利用者からの理不尽なクレームもあるとした上で、「日本人と同等の日本語レベルを求めないことや、日頃からわかりやすい日本語でコミュニケーションを図っていく」ことも重要と述べられました。

事例紹介では、東急バス(株)(東京都)が外国人運転手や整備士の採用についてふれ、現在、運転士の内定者には、インドネシア人・ネパール人合わせて10名、整備士(技能実習生など)にはベトナム人、インド人、インドネシア人合わせて8名がいることなどが紹介されました。 また、企業送迎を中心に行う日軽北海道(株)(苫小牧市)は聴覚障がいのあるドライバーの採用についてふれ、ワンマン運行するために障がいに甘えないことなどを話し合った上で、大学ノートなどを用いてコミュニケーションを図るとともに通常の教習よりも2か月多く時間をかけたことや、運転手が補聴器を付けている旨の掲示を出すなど、お客様にも理解を得てもらいながら日々運行している取組みが紹介されました。

後半のパネルディスカッション(コーディネーター・:吉田樹 福島大学経済経営学類教授)では、パネリストに、中嶋氏、東急バス(株)、(株)じょうてつ(札幌市)、札幌市役所担当課それぞれの職員を交え、バス運転手への多様な人材の採用について議論が行われました。 以前、女性運転手が約2%離職したことがあるという(株)じょうてつからは、「女性用設備の整備は行ってきたが、折り返し地点のトイレは男女共用1基だけなので今後改善すればアピールポイントになる」とし、バス運転手に応募する女性は「親・姉妹など身近な人がバスのハンドルを握っている」ことが多く、女性運転手の採用が長期間0人の場合は、「運転手以外の女性従業員にモデルになってもらうなど工夫して採用活動をしてもらえれば」(中嶋氏)と採用活動のポイントを紹介。東急バス(株)からは、外国人採用は永続的に取組んでいくが、「外国人運転手の育成を担当者だけで全てカバーするのは無理で、先輩・同僚などによる精神的フォローも重要」とし、女性も外国人も採用するときは、「できれば3人1組で同じ営業所に配属させるのが望ましい」(中嶋氏)と応じました。

一方、「札幌市ではバス路線の減便・廃止が続いているが、補助制度の見直しなどバス事業の下支えや運転手の確保などの生活交通確保をパッケージとして行っている。バス運賃は公共料金の側面があるのでサービスへの対価が見合わないこともあるが、今後も行政として下支えしていきたい」(札幌市役所担当課)。
最後に、「まちなかのバスが自動運転化されるのはかなり遠い未来。その前に公共交通が滅びる可能性があり、そうなればまちが滅びる。雇用のすそ野を拡げるには利用者側も歩み寄る必要がある」(吉田氏)と締めくくられました。

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