2018.1.19(金)、札幌モーターショー2018で、スペシャルディスカッションが行われました。

【登壇者】
○清水 和夫氏(モータージャーナリスト)
○河合 英直氏((独)自動車技術総合機構 交通安全研究所 自動車研究部 部長)
○竹岡 圭 氏(タレント兼モータージャーナリスト)

【講演ならびにパネルディスカション要旨】
○交通事故件数は全体では減っているが事故の内訳をみると、車に乗っている人の死亡事故は減っているものの、歩行者の死亡事故は微減に留まっている。歩行者が絡む死亡事故の96%は、スピード違反、一時不停止等の運転者の法令違反によるもの。

○自動運転にはレベル1~5までの5段階あるが、レベル2と3で大きく異なる。レベル2まではドライバーのサポートで、レベル3以上はシステム側に責任のある状態。

○2020年頃、高速道路の一部でハンドル操作が不要になる車が実用化され、2025年頃、自動走行ができる(レベル4)車が実用化されると予想されているが、完全自動運転(レベル5:運転手に全く責任がなく、エレベーターに乗るような感覚)の実現は予想できていない。おそらくあと20年はかかる。

○レベル5の実用化は「判断」の難しさによるもの。事故を起こした場合、プログラマーが悪いのか人口知能(以下、AI)が悪いのか、AIに倫理観はあるのか、生みの親と育ての親のどちらが悪いのか、今、世界的に“解なし”の状態。

○日本は他国と比べて遅れていると言われているが、公道実験においては進んでいる国で、条件さえ満たせばどんどん実験ができる。アメリカが進んでいるように見えるが、大きな駐車場で実験しているのに過ぎない。

○実は、(AI)はまだ赤信号とネオンサインの見分けがつかない。だから、すすきの交差点は走れない。(笑) LEDは細かく点滅しているので、AIが消えている瞬間を見てしまうと信号がないと認識してしまうかもしれない。車の前で仁王立ちする人も認知できない場合もある。(人は動いているものと認識している)

○後ろの車が接近していて前方の信号が黄色になった場合、人は状況によって「加速する」という判断ができるが、黄色で加速するというプログラムは組めない。

○そう考えると人間はすごい。北海道では道路が雪で覆われていて車線が見えなくても、みなさん適度に幅を詰めたりしながら上手に走っている。そういうのはAIでは無理。そういう意味では、北海道内で実証実験を行うと良いデータが取れるかもしれない。

○自動運転中の機械と人とのコミュニケーションをいかに図るかが鍵。自動車メーカーは、馬力競争、燃費競争、そして、機械と人とのコミュニケーションを図るインターフェースの競争になっている。

○ハードルは、技術 < 社会 < 法律 の順に高い。
技術-課題ははっきりしているので、比較的低い。
社会-100人いれば100通りのニーズがあり、自動運転を許容できる醸成を作っていくことが難しい。
法律-国によって異なることはもちろん、AIに刑事罰は課せられるのか? そもそもAIにとって何がペナルティーになるのか? 水没の刑?